夕暮れ時の街を歩き始め
シルエットの街並みが
遠く感じられる頃
青とも黒とも言えない空の色が
うっすらと透明度を増して
その向こうに星が見え始める
通り過ぎる車の音や
行き交う人たちの話し声
進める歩幅の分だけ
何もかもが遠のき
心地よい孤独が思索を深めていく
呼吸のテンポも
心臓のテンポも
自分という閉じた宇宙
大気の中に閉じた地球の上で
宇宙という閉じた無限の中で
不完全な僕の孤独は
見せかけの固い殻
不完全な僕の孤独は
まばらな幸福の分布
不完全な僕の孤独は
かたくなな感情の盾
言い尽くせない気持ちは
このまま胸の内で
言葉にも詩(うた)にも
ならないならこのまま胸の内で
自分という不完全な宇宙が
はじけるその時まで