月別アーカイブ: 2012年8月

朝の風景

ホームのいつもの位置に立って
汗がおさまるのを待つ
無風の街はモヤの中で
ぼんやりと朝日を浴びて
輪郭だけがかろうじて見える
電車に乗ってしまえば
心地よい居眠りができる
何もかも忘れて

iPodから送信

境界線にほおを触れたまま

部屋から一歩出ると
真夏の太陽が容赦なく僕を焼く
アスファルトから立ちのぼる熱が
呼吸の度に体の奥へ奥へと入り込んくる

右足から踏み出した今日という日は
あと何歩で終わるのだろうか
一歩目からそんなことを考えている

何歩だろうと部屋に帰り着く最後の一歩は
どうせ右足か左足に決まっている

今日は何か誰かのためになっただろうか
今日は誰か何か僕のためにしてくれたか

太陽を見上げて
まぶしくて下を向けば
自分の影の暗さにめまいがする

ぐらぐらと体が揺れて
ぽたぽたと汗が流れ落ちて

自分が世の中の一部であることを
確信できる確証が確認できずにいる

どこにいようと同じことだ
世の中との境界線に
ほおを触れたまま
どうせ中か外のどちらかにいる
境界線にほおを触れたまま