台風から吹きつける風が
未だに半袖の腕に冷たい
暖かな部屋の中から出て
明日からは長袖と昨日も思ったのに
家から出るまで忘れてた
台風から吹きつける風が
未だに半袖の腕に冷たい
暖かな部屋の中から出て
明日からは長袖と昨日も思ったのに
家から出るまで忘れてた
肌寒いとおもえる風が空を少しずつ持ち上げて
秋の空が出来上がって行く
気づくと木々の葉も
色づき始めていた
夏は去った
朝の空が暗い
足どり重く家を出たら
今日は猫の集会日らしく
道端でニャーと声をかけると
少し元気がでた
iPodから送信
小雨が降る朝は足早に
傘でカバンをかばいながら
水たまりをよけて駅に急ぐ
見上げれば薄曇りの空に
うっすらと空色
暑くても晴れがいい
そんな勝手なことを考える
渇水の初秋
iPodから送信
太陽の登る場所や時間が変わっていくことを
時計も無い時代に気づいた先人の叡智は
今では空の向こう果てしない彼方まで及び
無限と有限の間の全てを知り尽くそうとしている
間にいる自分の叡智は自分という囲いのなかすら
知り尽くす当てもない
iPodから送信
地平線上の高層ビルの上に
雲がのしかかる大波のようだ
オレンジがかった光が
ハレーションをおこして
朝の街をおおいつくそうとしている
きっとビルの影には
逃げ遅れた夜が
日暮れまでひっそりと居座り続ける
そういう風にあの街は
作られたのだ
iPodから送信
大気が乳白色の壁になって
そこにある風景を隠して
世界を狭く見せる
どこまでも東にすすめば
西の端から東にもどる
iPodから送信
朝日が雲を透かして
乳白色の光で地平線を形作る
やがて青く変わる空の縁
全天の東の円周
星々を塗り潰した後に
空を星々が塗り潰すまでの間隙
iPodから送信
湿った大気をかき分けて
水風船のような我が身は進む
中身がほとんど水な割には
水に浸かるのは苦手で
クラゲみたいに
内も外も一緒というわけにはいかない
皮一枚の儚い境目が微分する
わたしという固まり
今日はどこに行く
iPodから送信