月別アーカイブ: 2012年10月

朝の風景

今日のホームは人影少なく
朝焼けを迎える前のやわらかな空の下で
鳥のなく声だけが響く

しばしの静寂

列車が来て
日常に戻るまでの

朝の風景

厚い雲のグレイをバックに
薄い雲が流れていく
風で駅のどこかが
キーキーと音を立て
新聞がカサカサと
なびく音もしそうな
朝の駅の風景

朝の風景

うすい灰色から桃色に
桃色から白をはさんで
うすい空色へ階調を滲ませ
朝の空を澄んだ風が
頬を、そして耳を、
それぞれの速さで
通り過ぎていく
風きる我の実存
ここに立っているだけの

朝の風景

最近は歩きながら音楽を聞かないので
街の静けさや、鳥の声、風の音、
自分をとりまく世界を意識できる

考えてみると音楽は単なる音ではなく
空間なのだとわかる
人間の空間認識は現実に対しても
思っている以上にあいまいで
あやふやで不確かなもの

われおもうゆえに
われあり

朝の風景

電線を占拠した鳥たちの群れ
息を潜めながらもその囁きは
朝の街に大きな存在感を主張する
小さな鳥たちのささやかな自己主張に
たじろぎ道をあける人間
普段とは逆だ

朝の風景

西の空にまん丸な月が朝日を浴びながら白くなり
雲と同じ色になる
夜明けからの時間
道端の花も色づくころ
日の光とともにすべてに色と形を与え
太陽は登る