今朝は聞き慣れない鳥の声
カラスは寝ぐらを変えたのか
鳴き声すら聞こえない
朝の風景
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今朝は聞き慣れない鳥の声
カラスは寝ぐらを変えたのか
鳴き声すら聞こえない
今日のホームは人影少なく
朝焼けを迎える前のやわらかな空の下で
鳥のなく声だけが響く
しばしの静寂
列車が来て
日常に戻るまでの
厚い雲のグレイをバックに
薄い雲が流れていく
風で駅のどこかが
キーキーと音を立て
新聞がカサカサと
なびく音もしそうな
朝の駅の風景
うすい灰色から桃色に
桃色から白をはさんで
うすい空色へ階調を滲ませ
朝の空を澄んだ風が
頬を、そして耳を、
それぞれの速さで
通り過ぎていく
風きる我の実存
ここに立っているだけの
最近は歩きながら音楽を聞かないので
街の静けさや、鳥の声、風の音、
自分をとりまく世界を意識できる
考えてみると音楽は単なる音ではなく
空間なのだとわかる
人間の空間認識は現実に対しても
思っている以上にあいまいで
あやふやで不確かなもの
われおもうゆえに
われあり
若いカラスが群れに加わって
騒がしく空を渡って行く
まだ頼りない体躯には
成鳥の持つ威厳はなく
恐れや不安までも
見え隠れする
地平線に沿ってくもが低
く空はうす桃色に明るく光る
時折霧雨が頬に感じられる薄暗い朝の街で
台風の風が背中をおしたり
行くてを阻んだり
まだ眠い身体を弄ぶ
電線を占拠した鳥たちの群れ
息を潜めながらもその囁きは
朝の街に大きな存在感を主張する
小さな鳥たちのささやかな自己主張に
たじろぎ道をあける人間
普段とは逆だ
西の空にまん丸な月が朝日を浴びながら白くなり
雲と同じ色になる
夜明けからの時間
道端の花も色づくころ
日の光とともにすべてに色と形を与え
太陽は登る