真っ暗な空からカラスの鳴く声
低く唸り続ける機械の作動音
アナウンスは今日も昨日もお願いばかり
朝の風景
コメントを残す
真っ暗な空からカラスの鳴く声
低く唸り続ける機械の作動音
アナウンスは今日も昨日もお願いばかり
見上げると
ホームに雪が舞っている
真っ暗な空から
頭上に急に現れたみたいに
ゆらゆらと揺れて
電柱の影の雪が白猫になって僕を誘う朝
青い光が点滅しても歩調は変えずに
赤い光のお告げに従おう
青い光が進むことを赦すまでの刹那
数秒の思索が今日を変える
深呼吸が気分を変える
それだけで人生は変わる
溶け残った雪の白が
街灯の灯で浮きあがり
夜明け前の暗い空を
さらに暗く感じさせる
真っ暗な早朝の道を歩いていると
暗い空の下ボツんと浮かび上がる街灯の下
風で微かに震える透明な包装紙が
寒稽古に向かう幼い頃の記憶を呼び起こす
ふと気がつくと
駅のそばの信号
どこを通ったかすら
覚えていない
考えごとをしていたのか
夢を見ていたのか
どちらともつかない
不思議な時間