詩「恒星の熱を借り」

内燃し熱を放つ我が肉体の
数億の細胞ひとつひとつが
助け合って恒星の光を転じ
我が糧とする

借用した熱が冷めぬよう
絶やさぬようにマキをくべ
燃え尽きぬようにマキをくべ
いたずらに時を重ねる

長くて百年の火の番
長くて百年の借家住まい
やがて灰になる日には
すべてを熱に帰し気化する

恒星の熱のもつ形
恒星の熱のかけら
恒星の熱の通り道

恒星の熱がつくる
一瞬の夢を僕らは生きる

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