不完全な孤独

Soshigaya夕暮れ時の街を歩き始め

シルエットの街並みが
遠く感じられる頃

青とも黒とも言えない空の色が
うっすらと透明度を増して
その向こうに星が見え始める

通り過ぎる車の音や
行き交う人たちの話し声

進める歩幅の分だけ
何もかもが遠のき
心地よい孤独が思索を深めていく

呼吸のテンポも
心臓のテンポも
自分という閉じた宇宙

大気の中に閉じた地球の上で
宇宙という閉じた無限の中で

不完全な僕の孤独は
見せかけの固い殻

不完全な僕の孤独は
まばらな幸福の分布

不完全な僕の孤独は
かたくなな感情の盾

言い尽くせない気持ちは
このまま胸の内で

言葉にも詩(うた)にも
ならないならこのまま胸の内で

自分という不完全な宇宙が
はじけるその時まで

不完全な孤独」への7件のフィードバック

  1. 画伯

    人間てのは、不完全のまま死んでいくんだろうね。
    それが、幸せなのかな。
    大いなる不完全で生きていこう!

    返信
  2. Maki

    何度か読み返しました。私なりの感想です。
    〈心地よい孤独が 思索を深めていく〉というところが、
    『不完全な孤独』の思いを助長していくようであり、
    内面に確固としてみえてくるものに納得しながら、
    〈自分という不完全な宇宙がはじけるその時まで〉を
    精一杯生きていくのだ、というメッセージなのではと感じました。
    具体的な描写により、直感的に感じられるものがあり、
    不完全であることに余裕をもって生きていくことで、
    人間性があるのではと私なりの納得を感じたところです。

    返信
  3. JIMY-M

    詩の感想をもらうと
    必ず気づきがあります。
    「大いなる不完全」を
    生きるヒント
    精一杯生きてますホント
    みなさんのコメントは
    ホント心にしみます
    ありがとう

    返信
  4. オジヤ

    何気ない散歩のシーンでふと感じた孤独感から
    地球全体、宇宙全体へと大きく思索を広げたとおもったら
    また自分のうちに舞戻って
    最後に残り時間に思いを馳せる。
    詩の視点を追っただけでもダイナミックですごく面白かったです。
    要所要所で不完全という言葉が意味に深みを持たせていて
    読み応えがあるのに、入り込みやすいという
    私にとっての課題を華麗にクリアーしている詩だと感じました。
    やっぱりJIMY-Mさんはすごいです。

    返信
  5. JIMY-M

    自分としては
    オジヤさんみたいに
    予想もしない方向に読む人を
    引っ張りまわしたいんですけどね
    どうも予定調和してしまいます。
    ちなみにMakiさんも詩を書く人です。

    返信
  6. 画伯

    絵描きの先人の言葉に、「小さくまとめて完成とするより、大いなる未完成であれ」と言うような言葉があったと思う。
    「未完の大器」なんて言葉もあるかな。
    人生に完全なんてないんだよね。
    君も、前に人生の船がたどり着く陸地は無いって言ってたし。それは俺が言うまでも無く、君も感じているんだと思う。だからこういう詩が生まれたんだな。
    人が感想をくれるって事は、この詩は何かを人に感じさせる力があるんだなー。俺も何かを感じたよ。

    返信
  7. ぽえ太

    こんにちは。ピンクのモーツァルトです。
    文字onlyのブログだとイマイチ伸びないので、なにかしら描いたりしていますが、jimy-mさんのブログを見て、改めて画像とのコラボの魅力を感じました!

    返信

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