境界線にほおを触れたまま

部屋から一歩出ると
真夏の太陽が容赦なく僕を焼く
アスファルトから立ちのぼる熱が
呼吸の度に体の奥へ奥へと入り込んくる

右足から踏み出した今日という日は
あと何歩で終わるのだろうか
一歩目からそんなことを考えている

何歩だろうと部屋に帰り着く最後の一歩は
どうせ右足か左足に決まっている

今日は何か誰かのためになっただろうか
今日は誰か何か僕のためにしてくれたか

太陽を見上げて
まぶしくて下を向けば
自分の影の暗さにめまいがする

ぐらぐらと体が揺れて
ぽたぽたと汗が流れ落ちて

自分が世の中の一部であることを
確信できる確証が確認できずにいる

どこにいようと同じことだ
世の中との境界線に
ほおを触れたまま
どうせ中か外のどちらかにいる
境界線にほおを触れたまま

 

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